「うちの子、もう7歳になったんですが、健康診断って必要ですか?」という質問を診察室でよく受けます。答えはシンプルで、必要です。ただ、「なぜ必要か」「何を調べているか」を知っていると、検査結果の見方も変わります。当院のシニアドックで実際に行っている検査内容と、そこからわかることを整理しました。
なぜ7歳から年2回なのか ¶
犬猫の7歳は、人間でいうと50代前半に相当します。この年齢から、腎臓・心臓・肝臓の機能が少しずつ変化し始めることが多く、症状が出る前に数値の変化として現れることがあります。年1回では変化を見逃しやすいため、当院では年2回(春と秋)を推奨しています。前回との比較グラフをお渡しするのも、この「変化を追う」ためです。
血液検査でわかること ¶
血液検査では、腎臓の機能(BUN・クレアチニン・SDMA)、肝臓の状態(ALT・ALP)、貧血の有無(赤血球数・ヘマトクリット)、炎症の指標(白血球数)などを確認します。特にSDMAは腎機能低下の早期マーカーとして有用で、従来のクレアチニンより早い段階で変化が現れます。当院では2022年からSDMAを標準項目に加えています。
尿検査・レントゲン・エコーの役割 ¶
尿検査は腎臓の「濃縮力」を見るために欠かせません。血液検査の数値が正常でも、尿が薄い場合は腎機能の低下が始まっている可能性があります。レントゲンは骨・関節・心臓の大きさ・肺の状態を確認します。エコーは心臓の弁の動きや腹腔内臓器の形状変化を見るのに適しており、特に猫の心肥大の早期発見に有効です。
検査結果をどう読むか ¶
数値が「基準値内」でも、前回より上昇傾向にある場合は注意が必要です。逆に基準値をわずかに外れていても、その子の体格や年齢を考慮すると問題ない場合もあります。当院では検査結果を渡すだけでなく、必ず口頭と書面で「この数値が何を意味するか」「次回までに気をつけること」をお伝えしています。
シニアドックは、病気を見つけるためだけでなく、「今は元気」という確認のためにも意味があります。次回の健康診断のご予約は、ご予約・お問い合わせページからどうぞ。